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時計
2021/10/22

もう二度と生み出せない!?アンティークウォッチならではの魅力とは

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もう二度と生み出せない!?アンティークウォッチならではの魅力とは

みなさま、こんにちは!

前回は筆者とアンティークウォッチの馴れ初めを簡単にご紹介しました。

今回はアンティークウォッチってそもそも何なの?というみなさまの疑問に、筆者なりの観点から解説してみたいと思います。

存在自体がおしゃれ感満載なヴィンテージウォッチは、きちんとしたお店が扱うものであれば自分の心の赴くままに選んでしまってももちろん大丈夫。でも、その前に少しだけ知識を頭に入れておくと、時計選びがもっと楽しくなりますよ!

■前回の記事はこちら
本当は秘密にしたい!おしゃれな女性のヴィンテージウォッチ入門


■この記事の筆者;
腕時計専門店ベティーロード スタッフC.U.
ジャックロード・ベティーロードのWEBサイト運用スタッフ。CWCウォッチコーディネーター。ベティーロードの公式Instagramでは“天の声”役で毎週金曜日のインスタライブに出演中!愛用時計10本のうち、気が付けばヴィンテージウォッチが半分を占めていた愛好家のはしくれ。

■SHOP INFORMATION;
店舗(東京・中野ブロードウェイ3F)案内は こちら
オンラインストアは こちら

1.アンティークウォッチはいつの時代のもの?

ロレックス アンティークオイスターのイメージ

今から半世紀以上も前に販売されていたロレックスのアンティークオイスター。メンテナンスを施せば現在でも問題なく正確に時を刻んでくれる

“アンティーク”というと、骨董品的なニュアンスを感じて途端に敷居が高く感じますよね。もちろん、中には100年以上前に作られたそういう“歴史的資料”のような時計もあります。ですが、時計の世界でのアンティークは1950年~60年代とその前後のものが中心。

アンティークウォッチの定義はお店によって解釈が異なるので注意が必要ですが、当店ベティーロードでは1990年代前後までに製造された時計で、基本的に生産が終了しているものをアンティークウォッチと判断しています。

今、あなたが30~40代の女性であれば、ご両親が若かりし時に愛用していたような時計たちです。

シャネルのヴィンテージバッグ

1980年代~2000年くらいまでに製造されたシャネルのバッグ、ウォッチ、アクセサリーは若い女性を中心にヴィンテージブームの火付け役となった

ご両親世代の愛用品といえば、ここ数年シャネルのヴィンテージバッグなどが世界的に注目され、すでに一大人気カテゴリとして地位を築いていますよね。

ヴィンテージアイテムはただファッションに取り入れるだけでも相当なおしゃれ感があるので、実は時計もあまり難しいことを考えずに直感で気に入ったものを選んでも大丈夫!ですが、時計=精密機械であるからこそ辿ってきた足跡に、アンティークならではの面白みがあるのも事実です。

それでは少し専門的な話になりますが、アンティークウォッチを語る上で避けて通れないある“時計史の一大事件”についてお話ししたいと思います。ここを理解するとぐっとアンティークウォッチを見る目が変わってきますよ!

2.境界は時計史の一大事件、クオーツショック!

ブランパン ヴィルレ ウルトラスリム Ref.6104-4628-55A

1735年に創業した最古の老舗時計ブランドといわれるブランパンも、クオーツショックで休眠を余儀なくされた

みなさまは“クオーツショック”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?クオーツショックはそれまでの時計界の常識をひっくり返すことになった、時計史上の一大事件です。

今私たちが普段着けている時計のほとんどはクオーツウォッチと呼ばれるもの。充電が切れるとスマートフォンが使えないのと同じように、腕時計にも時針や分針を動かすためのエネルギーが必要です。クオーツウォッチは主に下の画像のようなボタン電池で動いています。

クオーツムーブメントのイメージ

クオーツウォッチの裏ぶたを開けたところ。丸いのがボタン電池で、IC(集積回路)やステップモーターと呼ばれる機械部などで構成されている

クオーツウォッチの技術は、みなさまもよくご存じのセイコーが1969年に世界に先駆けて発表したもの。ここでは技術的な説明は省きますが、セイコーがクオーツウォッチの特許を公開したことで世界を瞬く間に席巻し、それまでとは比べ物にならないくらい精度の高い時計が工場で安く大量生産できるようになったのです。

ではクオーツウォッチが登場する以前はどうだったのでしょうか?

クオーツウォッチ以前の腕時計は機械式時計というものが一般的でした。機械式時計は巻き上げたぜんまいがほどけようとする力を利用して複雑に組み合わされた何十個もの歯車やパーツが連動し、時計の針を動かします。

アンティークウォッチの手巻きムーブメント

こちらがレディース アンティークウォッチの機械式ムーブメント(手巻き)。わずか1.5cmほどのケースの中で歯車やぜんまいなどの極小パーツが組み合わされ、それぞれの役割を担っている

手巻きムーブメントの歯車のイメージ

ボールペンのキャップと比べると、組み込まれた歯車の1つ1つがいかに小さいかよくわかる

腕時計の製作には膨大な手間がかかり、また腕のいい職人も必要でした。そのため、かつての腕時計は上流階級や富裕層など一部のお金持ちのための持ち物だったのです。彼らの美意識と所有欲を満足させるために1点1点に趣向が凝らされ、丁寧に作られる時代が長く続いていました。

ですが機械化・工業化の波は否応なく訪れます。クオーツウォッチの新技術はそれまでの時計業界の常識を根底から覆し、長い伝統を誇ってきた機械式時計産業に壊滅的な打撃を与えました。老舗ウォッチメーカーの多くが倒産寸前に追いやられ、最終的にはなんとスイスの時計会社の3分の2が倒産してしまったともといわれているのです。それがクオーツショックと呼ばれる所以です。

1930年代 グリュエン アールデコ

アメリカで隆盛を誇ったグリュエンのアンティークウォッチ。グリュエンはクオーツウォッチ誕生の翌年、1970年に終焉を迎えた

安価な価格で大量生産することを可能にしたクオーツウォッチの誕生。これをきっかけに、腕時計は一部の富裕層のための高級品から、大衆向けの日用品へと変化していきました。

もうお分かりいただけたでしょうか?

そう、アンティークウォッチとは主に、時計史にクオーツが登場するまで全盛を誇った機械式時計たちのことを指しています。その多くが職人の手で仕上げられた一点もので、メンテナンスを重ねながら現在に至るまで大事に受け継がれてきた時計たちなのです。

3.受け継いでいくことのできる機械式時計

クオーツショックは10年以上もの間機械式時計産業に大きな影を落としましたが、1980年代に入ると機械式時計ならではの良さが見直され、危機を乗り越えた時計メーカーたちによって徐々に復権していきます。

機械式時計の仕組みには数百年という歴史の中で結晶化していった時計技師たちの叡智がつまっており、何より機械としての美しさは格別なものがあります。

ブレゲ トラディション レディ 7038 Ref.7038BR/18/9V6/D00D

時計界の超名門・ブレゲのレディース機械式時計。1775年に創設された老舗ブランドで、かつてマリー・アントワネットや皇帝ナポレオンもブレゲの時計を愛好したことで知られている

現在でも高級ブランドの腕時計の上位機種などは機械式時計であることが好まれる傾向にありますが、機械式時計の良さはそういった資産性やステータス性の高さもさることながら、電子回路の寿命に左右されるクオーツと違い、定期的にメンテナンスを施せば半永久的に受け継ぐことができる点にあります。

実際にアンティークウォッチはそのようにして、現在まで生き残ってくることができたのです。たとえメーカーは途絶えても、そのメーカーが生み出した当時の時計は大事にしてきた人たちによって受け継がれ、半世紀以上を経た今でもコチコチと時を刻み続けているなんてとてもロマンチックですよね。

それはまさに、当時の職人たちが思いを込めて仕上げた時計だからこそのことだと思うのです。

ファストファッションで溢れていた時代から一歩進んで、サスティナブルが叫ばれる今日この頃。ぜひこの時代ならではのアンティークウォッチに目を向けてくれる人がさらに増えるようにと願うばかりです。

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4.アンティークウォッチは二度と生み出せない

ロレックス 1940年代 パーペチュアル バブルバック Ref.4489

1940年代製造のロレックス パーペチュアル バブルバック。バブルバックは自動巻き時計の黎明期を伝える希少な時計で、コレクターも多い

アンティークウォッチは奇跡のデッドストック品でない限り基本的にはかつての持ち主の愛用品。そのため使用上の小傷やすれ、文字盤の経年変化などがある個体がほとんどです。

ですが傷や経年による褪色も、その時計が持ち主と共に激動の時代を生きてきたからこその味わい!むしろヴィンテージ品ならではの魅力的な雰囲気を増してくれるものといえます。

逆にいえば、現代のテクノロジーで作られた時計が半世紀後このような味わいを醸し出しているかというと、恐らく答えは否。

ロレックス 1940年代プレシジョン

1940年代製造のロレックス プレシジョン。醸し出す独特の雰囲気は、現行の時計にはないアンティークの魅力

高品質で劣化しにくいのはもちろん素晴らしいことでしょう。筆者も新品の時計を買うなら、間違いなくそのような時計を探します。

ですが人と同じように年月により変化していき、しかもただ劣化するのではなく、ピカピカの新品だった時とはまた違った深みを纏っていくアンティークウォッチは、技術が進歩してしまったからこそもう二度とは生み出すことのできない古き佳き時代のレガシーそのもの。

ティファニー 1960年代アンティークウォッチ

1960年代のティファニーのアンティークウォッチ。MOVADO(モバード)製の機械式手巻きムーブメントを搭載している

さらにいえば、現代において職人の手でこれほど手間をかけた一点ものを製作することは、技術的に可能だったとしても恐らくとんでもない金額をつけないとメーカー側もペイできないので現実的ではありません。その意味でも、ハイブランドウォッチの中古品と変わらない価格帯から手に入るアンティークウォッチは良い選択肢の1つだと思います。

ここまででアンティークウォッチに少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ当店ベティーロードのアンティークウォッチ ラインアップをご覧になってみてください!

ロレックスやオメガなど今でも一流ブランドとして脈々と続くウォッチメーカーの時計だけでなく、時代の波にのまれ歴史に幕を下ろさざるを得なかったブランドまで、さまざまな時計が目を楽しませてくれるはずです。

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5.まとめ

今回はアンティークウォッチの具体的な背景と、機械式時計や現行品とは異なる魅力について解説しました。次回は各年代ごとの特徴ついてご紹介したいと思いますのでどうぞお楽しみに!

みなさまが素敵なアンティークウォッチと出会えますように…それではまたお会いしましょう!

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ベティーロードの店内。ロレックス、カルティエ、シャネルなどの代表的なモデルから希少なアンティークウォッチまで、品揃えは日本最大級

ベティーロード(BETTYROAD)

東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F
JR中野駅北口徒歩5分
電話 [店舗] 03-3386-7550  [通販] 03-3389-1071
営業時間 11:00~20:00
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業界最大手!全国屈指の品揃えを誇る、レディースに特化したブランド腕時計・ジュエリー・バッグの専門店ベティーロード。創業30年以上の実績と信頼を誇る、並行輸入店の草分け的存在です。東京・中野ブロードウェイ3Fに店舗があり、ブランドジュエリー&バッグ店舗、姉妹店であるメンズ腕時計専門店ジャックロードも併設されているため、ご家族やご友人同士でご来店いただいてもみなさまにお楽しみいただけるラグジュアリー空間となっております。

半個室の商談スペースもあり、小さなお子さま連れのお客さまもゆったりとご覧いただけます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。

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