みなさま、こんにちは!
前回はヴィンテージウォッチってそもそも何なの?ということで、歴史的な観点での面白みや機械式時計について、ヴィンテージウォッチならではの魅力を解説しました。
今回取り上げるのは、各年代ごとのヴィンテージウォッチの特徴や時代背景について。
ベティーロードのお客さまには、ご自分の生まれ年と近しい年代に作られたヴィンテージウォッチを探されている方が意外といらっしゃいます。歴史的な背景やファッションの流行などさまざまな要因が重なり、年代によって流通する時計の傾向も変わるもの。
みなさまが生まれた年代はどんな時計が流行したのでしょうか?世界初の腕時計から歴史の流れを追ってみましょう!
■前回の記事はこちら
第1回
本当は秘密にしたい!おしゃれな女性のヴィンテージウォッチ入門
第2回
もう二度と生み出せない!?ヴィンテージウォッチならではの魅力とは
1920年代のティファニーの懐中時計。パテック フィリップのムーブメントを搭載した、とても希少なダブルネーム。腕時計が誕生する以前は懐中時計をポケットから取り出して時間を確認するのが常だった
突然ですが、世界最初の腕時計はいつ、誰が作ったのかご存じですか?
これには諸説あるのですが、まずは19世紀末、戦争に従軍したある兵士が懐中時計を紐で腕に括りつけたのが始まりといわれています。1分、1秒が生死をわける戦場で、必要に迫られて生まれたという逸話です。
また、より現代のスタイルに近い腕時計というと、カルティエのサントスという時計が世界初の腕時計として名を馳せています。
このサントスという時計は、名門カルティエの創業者の孫にあたる三代目ルイ・カルティエが、有名な飛行冒険家だった親友サントス・デュモンのために製作した腕時計。「飛行機の操縦中に懐中時計をポケットから出して時間を確認するのは困難だ」とぼやいたことがきっかけで誕生したといわれています。
1920年代の大変希少なサントス・デュモン。当時はクラシカルなブレゲ針を採用していたが、意匠を大きく変えることなく現行品のサントス・コレクションへと受け継がれている
サントス・デュモンといえば当時の社交界の人気者でファッションリーダー的存在だった男性。襟の高いシャツを粋に着こなし、遠い日本においてもそのスタイルが男性洋装の流行として伝わりました。“ハイカラ”という言葉はそこから転じたともいわれています。
そんな洒落者の彼を納得させるためにデザインされた時計・サントスは驚異的ともいえるデザインの完成度を誇り、現在でも大きく意匠を変えることなく販売されているのです。
ファッションとしての役割も果たす現在の腕時計というのは、この辺りから歴史が始まったといっていいでしょう。
カルティエ サントスデュモン LM Ref.WGSA0021
現行のサントス・デュモンは永遠のクラシックとしてカルティエを代表する時計の1つ
それでは、ここからは各年代ごとのレディース・ヴィンテージウォッチにスポットを当ててみましょう!
1920年代以前の時計
第一次世界大戦が終結し、世界的に平和ムードが高まった1920年代。特にアメリカは空前絶後の大繁栄を遂げ、“狂騒の20年代”と呼ばれる華やかな時代を迎えます。
1920年代とそれ以前は、まさに腕時計の黎明期ともいえる時代ですね。この時代というとプラチナやダイヤモンドを使用した見事なアール・デコ装飾のレディースウォッチがみどころです。
無銘の1920年代アール・デコウォッチ。プラチナ素材にサファイアとダイヤモンドが贅沢に施されている
本や映画でもお馴染み、ショートヘアやミニスカートなど新しいスタイルに身を包んだフラッパーたちが夜毎贅沢なパーティーに耽る『華麗なるギャツビー』の世界観を彷彿とさせますよね!手に取ると、豊潤かつ頽廃的なムードが支配した当時の空気が伝わってくるようです。
ちなみにメンズウォッチにも目を向けると、カルティエ永遠の名作である「タンク」ウォッチが誕生したのは1917年のこと。タンクの初代モデルもリッチなプラチナ製でした。
往年のタンクの面影を最も色濃く残す現行モデルがタンクルイ カルティエ(タンクLC)。また、レディースの現行モデルでは不動の人気を誇るタンクフランセーズやタンクアメリカンも、この時発売されたタンクが原型となった派生コレクションです。
タンクルイ カルティエ SM Ref.WGTA0010
第1次世界大戦に登場した戦車(タンク)のフォルムにインスピレーションを受けてデザインされたタンクウォッチには、平和への祈りが込められているという
この時代の特にレディースウォッチは、一部の富裕層がご贔屓のハイブランドへ依頼して特別に作らせたオーダー品がほとんどだったのではないでしょうか。ベティーロードでかつて販売したアーカイブ資料を見ても、プラチナを贅沢に用いたダイヤモンドウォッチがとりわけ多い印象です。
今から100年も前の腕時計ですので現存数がとても少なく、市場でもなかなかお目にかかることはありませんが、歴史的な資料としても貴重なものですよね!
この年代まで遡るとベティーロードでは日差5分以内は許容範囲とさせていただいている時計も多いので、はっきりいって実用向きではありません。ですが、大切にコレクションして次世代に受け継いでいくべき貴重な時計たちです。
さて、1920年代の終わりに世界恐慌が起こると、世界は再び戦争への道を歩み始めることになります。
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1920年代以前のヴィンテージ腕時計 一覧
1937年にスイスのパテック フィリップ社で製造されたアール・デコウォッチ。ピンク、イエロー、ホワイトゴールドの3カラーゴールドが用いられたとても豪華なモデル。変色が見られるものの、当時のオリジナルダイヤルを残した貴重な逸品
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1930年代に誕生したロレックスのレディースモデル、プリンセスの現存する1本。アール・デコウォッチの特徴であるエングレービングとミルグレインの装飾が繊細で美しい。当時のハイグレードムーブメントが搭載されている
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1874年創業の先駆的なアメリカブランド、グリュエンのアール・デコウォッチ。クラシカルな書体の総アラビアインデックスにブルースチールのスペード針も時代を彷彿とさせるエレガントなデザイン。ケースサイド、裏ぶたにも熟練した職人による精緻な彫金が見られる
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裏ぶたが泡のように膨らんだ自動巻きモデルの先駆け、バブルバック。スモールセコンドの上にはSUPER PRECISIONと記され、当時からロレックスが時計精度に強い信念を持っていたことが伝わってくる。希少なピンクゴールド製
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1837年にアメリカで創業したティファニーの大変豪華なプラチナ製アール・デコウォッチ。優雅なトノー型ケースはたおやかな貴婦人の腕元にふさわしい。ムーブメントはコンコルド社製の上質なムーブメントを搭載している
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1864年創立のアメリカブランド、エルジンの14Kホワイトゴールド製ヴィンテージウォッチ。アール・デコ様式の幾何学的なデザインとダイヤモンドの装飾がデコラティブな1本。エルジンの高級ラインは社交界でも人気の憧れの時計だった
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1930~40年代の時計
1931年にロレックスの三大発明の1つである自動巻き(パーペチュアル)を搭載した時計が誕生します。それまで定期的に手でりゅうずを巻き上げる必要があった機械式時計に、人の手を介さず時計自体が自動的にぜんまいを巻き上げてくれる仕組みを搭載するという画期的なもので、正確性や利便性を追求するメーカーたちによって腕時計の進化が加速していきました。
ロレックスのパーペチュアル(自動巻き)ウォッチ。当時手巻き式だったムーブメントに自動巻きのローターが取り付けられたため、その分裏ぶたが泡のように膨らんだ形状になりバブルバックの通称がつけられた
当店の場合、ロレックスのバブルバックの入荷は1940年代製のものがほとんどで、30年代のものはほとんど見たことはありません。
レディースウォッチは1920年代以前と同じく特注品の豪華なジュエリーウォッチが多い印象で、アール・デコ装飾の時計が依然として流行していたようです。
無銘の1930年代のアール・デコ ウォッチ。パテック フィリップやオーデマ ピゲ級の当時の高級ムーブメントが搭載された逸品
さて、1940年代になると世界は第二次世界大戦へと向かっていき、華やかだった時代に暗い影を落とします。通常の時計の生産ラインを止めて軍用時計(ミリタリーウォッチ)を大量に製造するメーカーも多くありました。
この軍用時計の納入で急速に勢力を伸ばしたメーカーがある一方、特にヨーロッパにおいては国に協力するため素材や仕様などメーカーの信念とはかけ離れたところで時計作りをせざるを得なかった例も多かったようです。
そのせいもあってか、この年代のレディースウォッチは当店で取り扱う機会はあまり多くありません。世界中が華やかに着飾って浮かれるような風潮ではなかったのでしょう。
スイスのウォッチメーカー、ドクサがドイツ陸軍に納入した1940年代のリアルミリタリーウォッチ
メンズの軍用時計のヴィンテージは姉妹店のジャックロードで取り扱いがあります。実際の戦争を生き抜いた時計だけに、風格とある種の重々しさを感じますね。女性にはちょっとハードすぎるかもしれませんが、男性の愛好家からは根強い人気を誇っています。
また、かのロレックスからデイトジャストが発売されたのが終戦を迎えた1945年。
初期型のデイトジャスト Ref.6605。くさび型インデックス、ドルフィン針などこの時代ならではのディテールが魅力的
この時発売されたのはメンズモデルのみで、デイトジャストのレディースモデルの発売は1950年代を待つことになります。
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1930~40年代のヴィンテージ腕時計 一覧
ポリッシュ仕上げの18Kイエローゴールド製のケースとブレスレットが華やかなロレックスのヴィンテージウォッチ。当時のロレックスは、匠の技を感じさせる非常に手間のかけられたブレスレットが装着されたモデルが多い
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アメリカブランド、ハミルトンのヴィンテージウォッチ。ハミルトンらしいペアシェイプケースにダイヤモンドを施した可愛らしいデザイン。当時のアメリカでは恋人からハミルトンの時計を贈られるのがステータスだった
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アメリカブランド、ブローバの1950年代ヴィンテージ。別名で角金とも呼ばれるアメリカで流行したレクタンギュラーウォッチ。多くは真鍮製ケースに10Kの金張が施されており、安価で実用的だったことから広く人気を博した
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1969年製造のオイスターパーペチュアルデイト自動巻きモデル。グレーの文字盤は変色もほとんどなく良好な状態。現行モデルと違い、徐々にコマが細くなるように作られた人気のリベット式ブレスレットを装着している
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ジャガー・ルクルトが北米向けに展開したルクルト銘のヴィンテージウォッチ。アメリカ人の好みに合わせた個性的なデザインを楽しむことができる。りゅうずがケース6時側下に取り付けられ、ケースのフォルムを損なわないよう工夫されている
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小さいながらも自動巻きムーブメントを搭載したデ・ヴィル オートマティックモデル。風防に施されたプリズムのようなカットガラスが美しい。この頃になると工場の製造ラインで量産されるような実用時計も多くみられるようになる
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1950~60年代の時計
第二次大戦が終結し、世界経済が急速に復興した1950~60年代。新たな時代の幕開けとともに各メーカーがしのぎを削り、ヴィンテージウォッチが最も充実した時代といっても過言ではないでしょう。
1950年代にはロレックスからレディースのデイトジャストが発売されます。女性もどんどん外へ出て活躍するようになった時代、ただ着飾るだけでなく男性と同じように実用的なモデルが求められ、メンズモデルを小型化してレディースモデルも展開するような動きはここら辺から本格化したのかもしれませんね。
ロレックスのカメレオン。裏ぶたのスリットにベルトを抜き差しするだけで簡単にベルトを交換することができる
この時代のレディースロレックスといえば、何といってもカメレオンでしょう!裏ぶたのスリットにベルトを通すだけで簡単にベルト交換ができるカメレオンは、ニュールックスタイルなどレディースファッション界に吹き込んだ新風に乗って、女性たちに絶大な人気を博しました。1950~60年代のわずかな期間しか製造されなかった希少な時計でもあります。
ロレックスの1960年代ヴィンテージウォッチ。風防のカットガラスや、バーク仕上げが施された非常に手の込んだブレスレットは職人の技が生かされた一点もの
オメガの1960年代ヴィンテージウォッチ。18Kホワイトゴールド製のラグジュリーモデル。立体的なブレスレットの造形が見事
そのほか、ロレックスやオメガなどのスイスブランドからはダイヤモンドやプレシャスゴールドを贅沢に用いた華やかなジュエリーウォッチが数多く製造されました。当時のブレスレットは手の込んだ細工が施されたものが多く、今見ても一体どうやって作ったのか不思議に思うほど。実に高度な技術が駆使されていたのです。
アメリカを代表するウォッチメーカーであるハミルトンやブローバのヴィンテージウォッチ
通称“アメリカンウォッチ”と呼ばれる時計たちも見逃せません。
アメリカンウォッチとは1940~60年代にアメリカで大流行したゴールドのレクタングル(長方形)ウォッチのことで、“角金(かくきん)”とも呼ばれます。アール・デコ調の装飾や、6時位置にスモールセコンドを搭載したデザインが一般的です。
1950年代のブローバ社製アメリカンウォッチ
アメリカンウォッチは男性向けの時計。当時の時計は現代ほど大型化しておらず、メンズウォッチでも上品で小ぶりなサイズが主流でした。アメリカンウォッチも現代であればあえて女性が着けるのもとても粋だと思います。
1950年代のハミルトン社製アメリカンウォッチ。女性の腕にも馴染む程よい大きさが魅力
スイスの名門ブランドもアメリカ市場の活況に目を向け、ヨーロッパの自社製品とは別のブランドを立ち上げる例もありました。ジャガー・ルクルトの「ルクルト」、ロンジンの「ウィットナー」などがその例です。
北米向けに展開されたルクルト銘のヴィンテージウォッチ。ヨーロッパ向けにはあまり見られない個性的なデザインが多い
ヨーロッパ向けのデザインとは別に、アメリカ人が好むデザインをマーケティングして製造されていたためクラシカルなデザインとは一味違うユニークな時計も多く見られます。
ファッション的に異彩を放っていたのが主にアメリカで流通していたルシアン・ピカールのヴィンテージウォッチ。
1950年代のルシアン・ピカールのパールウォッチ
ルシアン・ピカールといえばパールを用いた時計が特に有名で、ハリウッド女優らによってアメリカで流行したコスチュームジュエリーを彷彿とさせるデコラティブなデザインはアメリカの若い女性たちを夢中にさせたのではないでしょうか。他ブランドにはない魅力があり、流通量は多くないもののヴィンテージウォッチではファンの多いブランドです。
ちなみにアメリカ市場で流通していたヴィンテージウォッチは一概に14Kゴールドや10Kゴールド、または金張りの時計がほとんど。18Kゴールド無垢を用いたものはあまり見られません。これは当時アメリカでは金に対して高い関税が掛けられていたことが関係しているのだそうです。その代わり、比較的リーズナブルな価格で流通しているモデルも多いため、アメリカ市場向けのヴィンテージウォッチはとても魅力的なのです。
1970年代製造のオイスターパーペチュアルデイト。装着されたヴィンテージならではの巻き込み式のジュビリーブレスレットは留め金に向かって徐々に細くなる形状で現行モデルよりも女性らしい印象を醸し出す
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レディース向け自動巻き時計であるレディーマティック。社会進出を果たした女性向けの3針・デイト表示を備えた実用的なデザイン。レディーマティックはレディー+オートマティック(自動巻き)を組み合わせた造語
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1917年創業の名門ブランド、ラドーのヴィンテージウォッチ。傷のつきにくい超硬素材にこだわった先駆的なメーカーで、この時計もタングステンと炭化チタニウムを使用している
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1970年代以降の時計
1970年代はクオーツショック後の時代です。80年代の初頭にかけてはこのクオーツショックの影響が強く、多くの時計メーカーが次々に倒産してしまいました。
そのため1970年代以降のヴィンテージウォッチはロレックスやオメガ、パテック フィリップなど現在も存続している有名ウォッチメーカーの時計が中心となります。
1970年代 ロレックスオイスターパーペチュアルデイト Ref.6917
70年代のヴィンテージというと、ロレックスのオイスターパーペチュアルが比較的充実しています。フルーテッドベゼルやジュビリーブレスレットなど、見た目には現行のデイトジャストとあまり違いがないように感じられますが、細部のつくりはやはり当時ならではのもの。現行のデイトジャストと比較すると華奢で繊細な印象です。
当時、新しい感覚に溢れるデザインで大ヒットを記録したオメガのダイナミック
オメガやラドーからは1970年代の雰囲気を感じさせる近未来的なデザインも登場します。特にオメガのダイナミックは豊富なデザインとバリエーションで若者の間で大ヒットしました。今見てもレトロ感の中に逆に新しさが感じられ、新鮮な印象を受けますよね。
また、70年代以降で高い人気を誇るのがカルティエのマストタンクやマストヴァンドームなどのマストシリーズ。マストシリーズは、カルティエが一般層向けに考案した廉価ラインで、シルバー925に20μU(ミクロン)の金張を施したヴェルメイユという技法を取り入れていました。
世界中で大ヒットしたカルティエのマストタンク
当店ではマストタンクの手巻きモデルをヴィンテージ、クオーツモデルを中古に分類しているように、中古に分類されているもののヴィンテージといっても差し支えないと思われる時計はほかにもあります。
その最も代表的な時計がサントスガルべ。
カルティエのサントスガルべ。当時としては画期的だったステンレスとイエローゴールドのコンビモデルをラインアップしていた
サントスガルベは1987年に発表されたモデル。その名前からわかる通り、世界初の腕時計の項でお話したサントス・デュモンの系譜の時計です。
カルティエの最もクラシックな時計だったサントス・デュモンのデザインにりゅうずガードを加え、従来より大きくなった象徴的なビスモチーフにステンレス製のケースとブレスレットを備えるなど、一転してスポーティーなモデルへと刷新され、1980年代にかけて非常に人気となりました。以来、2000年代に入っても長く愛されてきたシリーズです。
カルティエならではともいえるサントスガルべのクールなデザインは、男性に人気があるのはもちろんのこと、女性が着けると細腕にかえって女らしさを添えてくれるような魅力もあり、女性からも高い人気を誇っています。工業製品然としたちょっとハードな印象にも関わらず…これはまさにカルティエマジック!
ステンレスモデルはよりメンズライクでかっこいい印象に!
シンプルなコーディネートによく似合い、時計としてだけでなくファッション的にもおしゃれ感は抜群です。気負わず自然体なのに、なぜかいつもおしゃれ…そんな女性の持ち物によく似合う時計だと思います。
この当時のサントスにはサントスオクタゴンという時計も存在します。その名の通り、八角形のベゼルをもつラウンドウォッチで、サントスの本流にはない珍しいデザインとなっていますが、ブレスやベゼルにビスを取り入れた特有のデザインは共通しています。
カルティエのサントスオクタゴン
サントスオクタゴンは、1980年代から1990年代初頭までのわずか10年ほどで製造を終了してしまいます。当時は男女兼用デザインだったようですが、現在はサイズ感からレディースウォッチとして扱われることがほとんどです。
時計に限らずどんなものでも、時が経てばいずれはヴィンテージやヴィンテージになっていきます。ですがその過程で忘れ去られたり廃棄されたりして数がどんどん少なくなり、結果として後世へと大事に受け継がれるものたちはごく僅かかもしれません。
筆者が入社した9年前頃はサントスガルべやサントスオクタゴンも店頭に数多く並んでいましたが、現在は流通量が格段に減り、特にイエローゴールドとのコンビモデルは入荷するとすぐ注文が入る印象です。ほしいと思った時に手に入るとは限らない、ヴィンテージやヴィンテージウォッチとの出会いは本当に一期一会。
ビビビっ!と運命を感じる時計に出会ったら、ぜひお気に入りの小物のラインアップに加えてみてくださいね!
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サントスガルベ/サントスオクタゴン 一覧
今回は世界初の腕時計と、年代ごとのヴィンテージウォッチについてご紹介しました。次回はヴィンテージウォッチの中でも特に人気の高い4つの“あの時計”についてご紹介したいと思いますのでどうぞお楽しみに!
みなさまが素敵なヴィンテージウォッチと出会えますように…それではまたお会いしましょう!
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半個室の商談スペースもあり、小さなお子さま連れのお客さまもゆったりとご覧いただけます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。
1865年にスイスで創業したゼニスによる1920年代のヴィンテージウォッチ。プラチナ素材のケース、ブレスレット全体にダイヤモンドが配されたデザインは、当時の上流階級の貴婦人の手元に相応しい大変豪華なものだった
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