“最も美しい民族衣装”の1つといわれる日本の着物。世界的に人気が高く、日本人女性の間でもその素晴らしさが見直されひそかなブームを迎えているようです。
着物にはその場をパっと華やかにし、そして格式を感じさせる力があります。着物を着ていくと多くの方に喜ばれるのはそのため。結婚式に参列する以外にも、お子様の七五三や入卒式、歌舞伎などの伝統芸能の鑑賞、高級レストランでの会食、京都や鎌倉などの歴史散策など、着物を着ようと思えばその機会は意外と多いものです。また、これからの季節は納涼の花火大会などで浴衣を着る予定の方もいらっしゃるでしょう。
こだわりの着物を身につけた時は、小物づかいにも気を配りたいところ。そこで気になるのはマナーについてです。
「着物にピアスをしてもいいの?」
「腕時計はつけても大丈夫?」
和装文化には伝統的なしきたりや決め事が多いイメージがあるだけに、装飾品をつける、つけないに関わらずきちんとポイントは押さえておきたいですよね。
「私は着物を着る上で一番大事なのは“堂々としていること”だと思います。」
そう教えてくれたのは、雑誌やTVCMなどの撮影で多くの芸能人の着付けを担当し、若手を代表する着物スタイリストとしてご活躍中の大竹恵理子さん。
今回はそんな大竹さんにもお話を伺いながら、着物や浴衣にアクセサリーや時計を合わせる際に気を付けるべき点や、おすすめのコーディネートなどをご紹介したいと思います。
「着物にはアクセサリーをつけない」と聞いたことのある方も多いと思います。これは一体なぜなのでしょうか?ここでは日本の歴史的な側面を振り返ってみましょう。
日本におけるアクセサリー(装身具)の歴史は、西洋諸国の絢爛豪華なジュエリーのそれと比べるととても数奇なものです。日本の歴史の中で首飾りや耳輪、腕輪などが見られるのは実は奈良時代あたりまで。これらは呪術的な意味合いから祭事で用いられ、古墳などから多く出土しています。ですが奈良時代以降、明治時代に至るまでのなんと1100年もの間、装身具は日本の歴史から忽然と姿を消してしまうのです。
1900年ごろに制作された西洋のアンティークネックレス
装身具が姿を消した理由は諸説あり、今もはっきりとした理由付けには至っていないそうです。
有力とされる説の中から一例をご紹介しましょう。平安時代以降、流行の担い手であった貴族階級の美意識は十二単に代表される豪奢な着物へと向かいます。着物そのものの豪華さや重たさから、さらに身を飾るアクセサリーは必要とされなかったと考えられ、その代わりに衣装の色合わせや香りなどが重視されていったというものです。
江戸時代になると簪(かんざし)や帯留め、根付などがアクセサリーとして流行しますが、それも幕末へ向かうと廃れていきます。そして開国とともに洋装文化とジュエリーが到来し、着物は次第に着られなくなっていったのです。
つまり着物を普段着として着ていた時代には今では私たちが当たり前のように身につけるアクセサリーそのものがなかったということ。そう考えると着物はアクセサリーで身を飾る前提がない中で成熟してきた文化であり、だから着物にはアクセサリーをつけるべきでないとする考え方も十分に頷けます。
とはいえ文化はその時代に合わせて変化していくもの。その変化が更なる多様性を育くみ、豊かさを増してくれます。
創刊から半世紀以上の人気着物雑誌をめくってみても、最近は着物とともに指輪やピアスをつけて撮影が行われることも珍しくなくなりました。また、着物に合うブランド腕時計特集などが組まれることもあります。今の時代、着物に時計やアクセサリーをつける、つけないの匙加減はどのように考えたらいいのでしょうか?
私たちは“着物とアンティークウォッチ”というテーマで特集を組み、撮影を行ったことがあります。その中で着物のプロフェッショナルからお聞きしたことをまとめると、おおよそ下記のような考え方をすれば問題ないのではと思われます。
結婚式をはじめとする正装の場では、招待する側とされる側で考え方が分かれます。招待する(ホスト)側として黒留袖や色留袖を着る場合、さまざまな年代や考えの方が参列されることを考えると装飾品は結婚指輪程度に収めるのが無難でしょう。
参列者側であれば未婚女性は振袖、既婚女性は色留袖や訪問着などを着ることになるでしょう。今の時代であればアクセサリーや時計はNGとまではいえません。土地柄や列席者に親族が多い場合などは配慮することも大事ですが、やはりお祝いする気持ちが一番大切です。
結婚式の着付けの経験も豊富な着物スタイリストの大竹恵理子さんからは、こんな興味深いご意見をいただきました。
大竹さん 「例えばですが、着物を着ていても現実的に全く時間を気にしないわけにはいかないですよね。所作からいえば、胸元や帯の間からスマートフォンを取り出すより、袂をそっと押さえて腕元の時計をさりげなく覗く仕草のほうが、古典的で美しいと感じる方も多いのではないでしょうか?着崩れも防げますしね。もし着物に合わせても違和感のないデザインの時計をお持ちなのであれば、かえって完成度の高い素敵な着姿になると思います」
マナーとしては時計をつけないほうが無難でも、着物を着ているときの所作としてはつけたほうが“粋”なこともある・・・なるほど、考えさせられます。マナーだけでなく、全体の着姿を意識してセルフプロデュースすることも大事そうです。
観劇や会食などプライベートで着物を着る場合は、基本的にアクセサリーも時計も好きなものをつけてOK。浴衣の場合も同じく大丈夫です。
大竹さん 「プライベートで着物を着る場合は、時計もジュエリーも好きなものをつけていいでしょう。この頃は着物雑誌の撮影でも指輪などをすることは珍しくないですし、腕時計の特集が組まれたりもしています。着物そのものにモダンな感覚のデザインが多く登場しているように、時代の流れはしきたりにとらわれすぎない自由な風潮へと確実に変わってきています。私は着物を着る上で一番大事なのは「堂々としていること」だと思うのです。ぜひ、考えすぎず、自由に着物を愉しんでもらいたいと思います」
着物や帯には格があり、その場に相応しい格のものを選ぶことが重要です。
例えば既婚女性の正装は黒留袖。結婚式など公式の場で賓客をおもてなしする最上級の正装ですが、友人との古都散策などプライベートで着るには場にそぐいません。逆に、最高級といわれる大島紬や結城紬は価格も大変高価ですが、格としてはカジュアルなものなので正装の場に着ていくことは失礼にあたります。和装でも洋装でも、TPOをわきまえることは基本中の基本です。
格の高い着物であれば、ダイヤモンドをあしらった小ぶりなジュエリーや時計が似合いますし、カジュアル寄りの着物であればカラーストーンや大ぶりなアクセサリーなどで遊び心を加えてみるなど、装飾品も着物の格に合わせて選ぶと全体のバランスが取りやすく、ちぐはぐな印象になるのを避けることができます。
また、金彩、銀彩が使われている着物であればそれに合わせてイエローゴールドやホワイトゴールドを取り入れるとよいでしょう。着物の柄に印象的に使用されている色があれば、それに合わせたカラーストーンや帯締めなどを選ぶのもおすすめのテクニックです。
繊細なデザインが優美なハリー・ウィンストンのエメラルド
ベルトを簡単に替えることができるアンティークロレックス・カメレオン。その名の通り、カラーによってフォーマルにもカジュアルにも印象は変幻自在!
ソリテールダイヤピアス(ハリー・ウィンストン)
サファイアリング(ノーブランド)
まろやかな光沢のある絹の着物に硬質な輝きを添えるジュエリーは、着こなしにメリハリがつき意外にも合います。 おすすめはピアス(イヤリング)やリングです。ピアスならゆらゆら揺れるスイング系のものよりも、一粒ダイヤなど控えめなものを選ぶとすっきりと見えます。もちろん髪型はアップにしてうなじを出すのもポイントです。また、リングは結婚指輪はもちろんのこと、大きめの石のついた存在感のあるリングでも問題ないでしょう。
一方でネックレスはあまりおすすめできません。着物は襟元が詰まっているのでネックレスをするともたついてしまい、着物もネックレスも見栄えを損なってしまいます。
手首を華奢に見せてくれるブレスレットはおすすめしたいところですが、着物の袖口に引っかかったりする危険が。あまり実用的ではないかもしれませんね。どうしてもつけたい場合はバングルタイプを選ぶと安心です。
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現行のオイスターパーペチュアルデイトジャストとはまったく趣の異なるアンティークロレックス(1960年代)
着物に合う時計とはいったいどんな時計でしょうか?
当店では、アンティークウォッチをおすすめしています。
1900年代半ば頃から70年代にかけて西洋で作られたアンティークウォッチには現在の実用的な腕時計の姿からは想像もできないほど様々なデザインが存在します。
当時腕時計を身につけていたのはいわゆる富裕層の貴婦人たち。そのためその多くが職人により一点一点手作りされた特注品でした。長い時を経て受け継がれてきたアンティークウォッチは工場で大量生産される品にはない品格と存在感があり、着物と合わせると想像以上にお互いの魅力を高めあってくれます。
大竹さん 「着物に合う腕時計の条件を考えた時、まずは小ぶりであることかなと思います。アンティークウォッチを初めて手にとってみた時、どれも思った以上に小さく、華奢なつくりに驚きました。それに腕時計というよりはブレスレットのような雰囲気があって、時間を知るツールとしての実用的なイメージよりも芸術品のような色合いが濃く感じられました。着物も職人の手によって一点一点作られたものも多く、長きに渡る伝統の技が継承されて今に至る文化的なもの。大事に使うことで次の世代に遺していける価値のあるものですから、歴史のあるアンティークウォッチと多くの共通点がありますよね。和洋折衷な取り合わせが粋でもあり、魅力の相乗効果か全体の品格も上がるようですね」
多彩な魅力と味わいを秘めているアンティークウォッチ。時計そのものから滲み出てくる優しく落ち着いた佇い、気品、時流に左右されない普遍的な美しさ、一点物の希少性とそれを纏うという至福感…。ここでは全国有数のアンティークウォッチコレクションを誇るベティーロードで、特に人気のあるブランドについてご紹介いたします。
時計/ロレックス ダイヤモンドウォッチ(1960年代)
ロレックスの歴史
言わずと知れた時計の王様、ロレックス。1905年、ロンドンでハンス・ウィルスドルフによって創設され、実用時計の王者の地位を確立しました。レディースロレックスも現行品はデイトジャストに代表される機能的なデザインが主流ですが、1960年代くらいまでのアンティークロレックスは富裕層の貴婦人の腕元を美しく飾るために誂えられ、その多くが特注品でした。一つとして同じものがない、百花繚乱たるデザインが咲いた時代の芸術品なのです。現在こういった意匠の時計を作ることは現実的には不可能といえるでしょう。そういった意味でもアンティークロレックスは現在でも高い人気を誇っています。
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ベルトを替えてさまざまな表情を楽しめるのがカメレオンの魅力
時計/ロレックス カメレオン オーキッド(1950年代)
ロレックス・カメレオンの歴史
ドラマや映画の撮影に時計を貸し出す機会の多いベティーロードですが、実は、借りに来られるスタイリストの方に一番人気なのがカメレオン。今まで数多くのTVや映画、雑誌などメディアに登場しています。現行品にはない、ヴィンテージならではの可愛らしさと高級感を兼ね備えるカメレオンは、まさにオシャレ上級者のためのアイテム。ベティーロードでも新品ロレックスと並ぶ人気を誇ります。
カメレオンの誕生は1950年代。裏ぶたにベルトを通すための空間があり、そこにベルトを通すだけで簡単に交換できるようになっています。ロレックスはこの世界初の試みで特許を取得し、当時の広告に "世界で唯一ワードローブを持つ時計" と謳いました。1960年代にかけてのわずかな期間しか製造されなかったカメレオンは、現在では入手困難な希少品。レディースロレックスを世に知らしめるきっかけとなった、歴史的アイコンウォッチといえるでしょう。
ベティーロードでは専用の替えベルトを色数豊富にご用意。その日の気分でお好きな色を組み合わせて「着せ替え」を楽しんでいただくことができます。浴衣などでカジュアルにつけるのもおすすめです。
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時計/ハミルトン ダイヤモンドウォッチ(1960年代)
ハミルトンの歴史
ハミルトンの創業は1892年。アメリカを代表する歴史あるウォッチブランドです。レディースウォッチのパイオニアブランドとしてもよく知られており、早くから女性の需要に目をつけ美しいジュエリーウォッチを数多く世に送り出しました。
1940~50年代当時のアメリカでは、恋人や夫からハミルトンの時計を贈ってもらうことが女性の憧れだったのです。裏ぶたに、時計の贈られた日付とともに恋人の名前や愛のメッセージが刻まれたものも時々見かけることがあります。
優れたデザインと性能を誇る一方で比較的リーズナブルに手に入るハミルトンは、アンティークウォッチのエントリーブランドとしても大変おすすめです。
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時計/パテック フィリップ アール・デコウォッチ(1930年代)
パテック フィリップの歴史
パテック フィリップは1839年、ポーランドの亡命貴族パテック伯爵と、フランス人の時計技師ドリアン・フィリップとによって設立されました。「世界で最も素晴らしい時計を作ろう」という創業者の思想に基づき、世界最高峰のマニファクチュール(自社一括生産)として今も手作りの時計を製造しています。
全ての面で伝統的職人芸が生かされ、芸術的な美しさを持つ、時計マニア垂涎の的の超高級ブランドです。パテック フィリップは1839年創業以来の全てのタイムピースのアフターサービス・修理・修復を行っていることでも有名です。その中には当然アンティークウォッチも含まれています。
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時計/ピアジェ 18KWG(1980年代)
ピアジェの歴史
ピアジェというとハイジュエリーを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、そのルーツは意外にも腕時計製造にあります。
1874年、19歳のジョルジュ=エドワール・ピアジェがスイスのラ・コート・オ・フェに築いた工房から始まったピアジェ。『常に必要以上によいものをつくる』をモットーに、 エレガントウォッチを象徴するメゾンとして確固たる地位を確立しました。ピアジェのジュネーブサロンに最高級のジュエリーと時計がディスプレイされたのは1959年のこと。以来、ピアジェのすばらしいクリエイションはジャクリーン・ケネディやエリザベス・テイラーなど多くの著名人たちを魅了していきました。
ピアジェのアンティークウォッチは、まさにその時代にピアジェによって生み出された芸術品なのです。
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時計/オメガ アンティークウォッチ(1960年代)
オメガの歴史
時計の一流ブランドとして、いまや知らない人はいないほどのオメガ。特にここ10年ほどは戦略的に高級路線へとシフトし、ブランドのステータス性が上がってきています。
アンティークウォッチとしてのオメガは、老舗ブランドにしては比較的リーズナブルな価格帯が中心。デザインもシンプルで普遍的なものが多く、どんな服装にも合わせやすいのが特徴です。
一方で当時の富裕層をターゲットとしたダイヤモンドウォッチや細工の見事なジュエリーウォッチも数多く存在し、経営規模の大きさを活かしたメーカーの幅広い守備範囲が見てとれます。
現存する作品数が多いためアンティークウォッチの中では希少性に優れているとはいえませんが、それはそれだけ長い間多くの人々から支持され、愛されてきた証。何よりも見ごたえのあるコレクションとバランスの取れた価格帯、そして現在に至るまでに築き上げたブランドのステータス性を考えると大変おすすめできるブランドです。
当店ではアンティークウォッチのエントリーモデルとしても高い人気を誇っています。
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時計/ジャガー・ルクルト ドライバーズウォッチ(1970年代)
ジャガー・ルクルトの歴史
ジャガー・ルクルトの始まりは1833年。アントワーヌ・ルクルトが、主に時計工作機械を作る工房を設立したことから歴史がスタートします。
高い技術力を武器にムーブメントの供給元として君臨し、 1900年代、ジャガー・ルクルトがムーブメントを供給した有力メーカーはパテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲ、カルティエなどの超一流ブランドが名を連ねました。
最初は時計部品の供給メーカーだったジャガー・ルクルトですが、徐々に自社ブランドに力を入れていきます。1930年代後半から1960年代にかけてより大きなマーケットを狙って北米へ進出し、 それらは”ルクルト”のブランド名で売り出されました。時計としての中身の精度の高さはそのままに、デザインは当時のアメリカ人の好みに合わせてつくられ、個性的なデザインやアール・デコ調のものが多いのが特徴です。
自身の時計メーカーとしての参入がやや遅かったため、アンティークウォッチとしては数が少なく希少性が高いといえます。それに加え高級ブランドであるため価格も総じて高い傾向にありますが、非常に通好みで時計好きからみると「なかなかやるな」と唸らせるようなタイプの時計といえるでしょう。
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時計/ブローバ 14KWG(1960年代)
ブローバの歴史
ブローバは1875年、ニューヨークの小さな宝石商から始まり、アメリカの発展とともに歴史を刻んできたウォッチブランドです。アメリカのマーケットに対して時計の製造は本場であるスイスの工場で行うというシステムをいち早く整え、1960年代の最盛期には大変な隆盛を極めました。その後日本製クオーツウォッチの台頭により競争に敗れ次第に衰退していくことになりますが、現在もスイス・バーゼルフェアに数々の名品を発表しています。
アメリカの大統領専用機「エアー・フォースワン」にはブローバの掛け時計が採用されており、合衆国オリンピックチーム の公式時計に選ばれるなど今なお愛され続けています。
ブローバのレディースアンティークウォッチにはブランドが栄華を極めた時代の華やかさが溢れています。惜しみなく使用された高品質のダイヤモンド、優れたデザイン…長い歴史を持ち、最大級の規模・生産量を誇った会社であったため価格帯も手頃。アンティークウォッチのエントリーブランドとしても大変人気があります。
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時計/カルティエ トノー(1980年代)
カルティエの歴史
「王の宝石商、宝石商の王」かのイギリス国王エドワード七世からカルティエへと贈られた言葉です。
1847年、パリにアトリエを創設したところからカルティエの歴史は始まりました。宝石商からスタートしたカルティエですが、時計の製造にも並々ならぬ情熱を傾けます。1904年、友人の飛行家サントス・デュモンのために三代目ルイ・カルティエが腕時計を製作。こちらが後の「サントス・ウォッチ」となり世界初の腕時計の誕生となったのです。
王侯貴族や上流階級のためのいわゆる雲上ブランドだったカルティエは、1960年代までほぼ全てが完全オーダーメイドでした。そのため古い年代のものは極端に数が少なく、その分クオリティーは最高という幻の逸品揃いなのです。高価ではありますがその芸術的価値は計り知れないものがあります。
一方1970年代になると、顧客を一般層に拡大するために「マストタンク」に代表される時計が戦略的に生み出され、憧れのカルティエウォッチを手に入れようと当時多くの女性が熱狂しました。そのため市場に出回るのは1970年代のものが多く、アンティークというよりはヴィンテージと呼ぶほうがしっくりくるかもしれません。
普遍的でクラシカルな魅力のある当時のカルティエの時計は今でも幅広い年代の女性に愛されています。
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時計/ルシアン・ピカール パールウォッチ(1950年代)
ルシアン・ピカールの歴史
ルシアン・ピカールは1923年、スイスのローザンヌに設立されました。高い技術力とデザイン性を備え、宝石を用いた洗練されたドレスウォッチの製作を得意としていました。メンズウォッチにダイヤモンドの装飾を取り入れたパイオニアともいわれ、グレース・ケリー、フランク・シナトラ、エルビス・プレスリーなど、数多くの世界的なロイヤリティー、政治家、有名人に愛用されてきました。
特筆すべきはパールをふんだんに使用した独特のデザインウォッチ。アンティークのルシアン・ピカールはこのパールを用いたデザインが大変人気で、コレクターにも注目されています。ほかに例を見ない上品でクラシカルな装飾性は、一点物のアンティークウォッチを所有する喜びを最大限に感じさせてくれることでしょう。
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アンティーク ルシアン・ピカール 一覧
アンティークウォッチの中には時々、文字盤の上に蓋がついていて一見すると時計に見えないカバーウォッチがみられます。 西洋の上流階級婦人たちの間でも、社交界などの公の場で女性が時間を気にするのは野暮なことだと考えられていたのかもしれませんね。
ルシアン・ピカール カバーウォッチ(1950年代)
オメガ カバーウォッチ(1950年代)
カバーウォッチはどれも手の込んだ芸術品ばかり。あまり数は流通していませんが、ロレックス、オメガ、ハミルトン、ルシアン・ピカールなどのブランドでよく見られるのでぜひ探してみてください。
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カバーウォッチ 一覧
いかがでしたか?
今、世界中から“和の文化”へと注目が集まっています。このような美しい文化を持つ日本に生まれたことを誇りに思いつつ、それと同時に後世に伝えていくことの大切さを感じます。
私たちも和の心や伝統を大切に受け継ぎつつ、時代に合わせた着こなしを楽しみたいものです。
教えてくれたのは着物スタイリスト 大竹恵理子さん
父が大工、母が和裁士という家庭に生まれ育ったため、自然と日本文化に興味を持つ。
2004年 長沼静着物学院入学。一般的な着付けをはじめ、花魁などの時代衣裳、白無垢などの婚礼衣裳まで様々な着付けを学ぶ。
2006年 着物屋くるり入社。くるりのスタイリング・着付け全般を担当。
2013年 独立。
フリーランスの着物スタイリスト、着付師として、広告、CM、雑誌などの媒体を中心に活動中。著者に「半幅帯の本 (河出書房新社)」など他多数。
着物スタイリスト・着付師 大竹恵理子公式HP
ベティーロード(BETTYROAD)
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F
JR中野駅北口徒歩5分
電話 [店舗]
03-3386-7550
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業界最大手!全国屈指の品揃えを誇る、レディースに特化したブランド腕時計・ジュエリー・バッグの専門店ベティーロード。創業30年以上の実績と信頼を誇る、並行輸入店の草分け的存在です。東京・中野ブロードウェイ3Fに店舗があり、ブランドジュエリー&バッグ店舗、姉妹店であるメンズ腕時計専門店ジャックロードも併設されているため、ご家族やご友人同士でご来店いただいてもみなさまにお楽しみいただけるラグジュアリー空間となっております。
半個室の商談スペースもあり、小さなお子さま連れのお客さまもゆったりとご覧いただけます。お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。