バーキンに使われるトゴ素材とは？特徴やメンテナンス方法を解説

バーキンでよく見かける「トゴ」とは、バッグに使用されている素材の1つです。

こちらの記事では、バーキンの素材として人気のトゴ素材について、歴史や特徴、簡単なメンテナンス方法について解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。

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バーキンの「トゴ」とは？

トゴとは、エルメスのバーキンに使用される、雄仔牛由来の革素材です。「柔らかい革」を意味するフランス語に由来し、正式名称は「ヴォー・クリスペ・トゴ」といいます。

トゴの特徴の1つに、使用頻度に合わせて味わいが増すことがあげられます。エルメスで扱うレザーは30種類ほどありますが、そのなかでもトゴは多くのエルメスユーザーから長く愛されている人気素材の1つです。

バーキンの素材として有名なトゴですが、エルメスを代表する「ドゴン」シリーズの財布など、ほかのラインにも使われています。高い耐久性とその柔らかな質感、そして発色の良さから、男性ユーザーからも人気の高い素材です。

バーキンとトゴレザーの歴史

トゴのバーキンが長く愛されているのは、その使いやすさにあります。トゴは雄仔牛由来のレザーであり、柔軟性と高い耐久性を持ち合わせています。さらに、通常のレザーに比べて、使用し続けることで革に味わいが増していく特徴があり、より愛着が湧きやすい点も評価されています。

また、特徴的な肌触りと外見をしているトゴを使用したバーキンは、さまざまなファッションに合わせやすく、ファーストバーキンとして選ばれることも多いバッグです。

特にゴールドやエトゥープなど定番色の人気が高く、なかでもゴールドは肌になじみやすいナチュラルカラーであり、フォーマルからカジュアルシーンまで活躍します。

バーキンでつかわれるトゴの特徴

厳選された最高品質の素材を用いて、エルメスの熟練した職人が1つ1つ手作業で作製しているバーキン。もともと子育て中の女優のためにつくられたため、耐久性の高さが特徴です。

そのなかでもバーキン トゴの人気が高い理由に、トゴ素材ならではの特徴があります。肌触りはなめらかでラグジュアリーな質感のトゴ。その表面には深く細やかなしわ模様があります。これは「血筋」と呼ばれるしわ模様で、実際に血管が通っていた跡です。血筋からできる表面の模様は、ほかに全く同じ模様がありません。まさにオンリーワンのバーキンです。

トゴ素材のバーキンは、使い続けることで質感や表面のしわ模様の深さが変化します。時間とともに柔らかさが増し、表面のしわ模様がはっきりとしてきます。長く使用することで表面の味わいが変わることも、トゴのバーキンならではの楽しみといえるでしょう。

また、トゴ素材はカジュアル・フォーマルを問わず、さまざまなシーンで使用できることも特徴です。特にゴールドやエトゥープなどの定番色は流行に左右されにくいため、長く愛用できるでしょう。ファーストバーキンや大切な方へのプレゼントとしても選ばれることの多い素材です。

トゴ素材のバーキンのメンテナンス方法

トゴのような牛革素材のお手入れ方法について、ホームケアと直営店・修理専門店でのメンテナンスに分けて解説いたします。

ご自宅でのバーキンのメンテナンス方法

バーキンの主なホームケア方法は次の通りです。

トゴ素材のバーキンを使用したら、まず柔らかいキレイな布で汚れを拭き取りましょう。中身を入れたままにしておくと型崩れの原因になるため、荷物を取り出してバッグを休ませる時間をつくることも大切です。

使用頻度があまり多くない場合は、汚れを拭き取ったあとに風通しのいい場所で保管します。革製のバッグにはカビが発生するため、長く使わない場合には湿気に注意しましょう。

市販のクリームやスプレーを使ったメンテナンス方法もありますが、エルメスは推奨していません。シミの原因になる恐れもあるため、使用はお控えください。

手の皮脂がついて汚れやすいハンドル部分には、ツイリーを巻き付けておくと安心です。ツイリーとは彩り豊かなデザインが魅力的なエルメスのスカーフのこと。ツイリーを変えるだけでバーキン自体の印象も変わるため、おしゃれのワンポイントとしても楽しめます。

エルメス直営店や修理専門店でのメンテナンス

耐久性の高さで知られているバーキン。ただし、使用し続けているとどうしても表面や角に傷がついてしまいます。このような傷がついてしまった場合は、エルメス直営店または革製品修理専門店へリペアを依頼しましょう。

エルメスの「アフターセールスカウンター」は、全てのエルメス製品のリペアやメンテナンスを受け付けています。エルメスが厳選した高品質な素材を用いて、専属の修理職人が対応してくれるため、新品さながらの状態で戻ってくることも珍しくありません。ただし、費用や修理期間がかかる点には注意が必要です。

例えば、ゴールドのバーキン トゴの修理。メンテナンスをエルメス直営店へ依頼した場合、次のような費用が想定されます。

【トゴ素材 バーキン ゴールドカラー】の場合

※取材した当時(2024年9月時点)の参考価格です。
※最終的な費用は修繕担当の職人により決められるため、不安な場合は修理依頼前に担当者へ確認することをおすすめします。

エルメス以外の修理専門店へ依頼すると、修理にかかる費用は抑えられるかもしれません。しかし、エルメス以外で修理を受けたバーキンは、その後エルメスにてアフターケアを受けられなくなる可能性があるため、依頼の際は十分に注意してください。

バーキン トゴの価格が上がりやすい理由

馬具メーカーとして誕生したエルメス。長い歴史はもちろん、築き上げてきた信頼と実績のブランド力から、エルメスのアイテムは二次流通市場でも高値で取引されています。

バーキンはそもそもの希少性が高く、なかなか市場に出回りません。バーキンは1人の職人が全工程を担当し、手作りで仕上げています。1つのバッグに多くの労力と時間がかかっているため、需要に生産量が追い付いていないのです。

そのため、エルメス直営店でも店頭にバーキンが並ぶことはほとんどありません。エルメスで購入実績を作った顧客に優先的にバーキンの入荷が案内されるといわれています。また、バーキンの入荷案内から30分以内に購入の意思を伝えるという「30分ルール」など、暗黙のルールも存在し、さらに購入のハードルを上げています。

さらに、人気の高いトゴ素材でできたバーキンは新品・中古にかかわらず価格が高騰しやすいといわれています。その理由は、傷が目立ちにくく、時間経過とともに味わいが増すためです。

なおトゴ同様、傷が目立ちづらいトリヨンクレマンスも価格が上がりやすいといわれています。同じ牛革であっても、傷が目立ちやすいスイフトやボックスカーフは高値が付きづらい傾向にあります。

バーキンに採用されているトゴ以外の素材

バーキンに使用される素材は、30種類以上あります。そのなかで、牛革の素材でトゴ以外によく使用されるのは次の3つです。

牛革をなめして、自然な状態で作り上げた上記3つの素材は、どれも肌触りが良いことが特徴です。

ここからは上記3つの素材の特徴と、そのほかの牛革素材、牛革以外の素材について解説いたします。

トリヨンクレマンス

トリヨンクレマンスは、1992年にエルメスに登場した雄牛レザーです。しっとりとした触り心地から、バーキンやケリーなどバッグのほか、小物類まで広く使用されています。

発色は自然で、それでいて上品な印象を持っています。使用するほどに柔らかさが増していき、表面のしわの大きさにも個性が出てきます。トゴよりも柔らかく、表面のしわが大きいことからカジュアルなシーンにもよく合います。

擦れには強いですが、トゴや次に紹介するエプソンよりも型崩れしやすく、耐水性が低いため、取り扱いには注意が必要です。

エプソン

雄仔牛の革に細かい型押しの加工を施した素材で、2004年に登場しました。硬く張りのある素材のため、型崩れしにくい特徴があります。

色の彩度が明るく柔らかいため、発色の良さだけでなく、上品かつ高級感のあるツヤも感じられます。フォーマルな場面だけではなくカジュアルシーンにもよく似合い、耐久性・耐水性にも優れているため、汎用性の高い素材といえます。

スイフト

2006年に登場。雄牛由来の革に薄く型押しをした、マットな質感と手に吸い付くようななめらかさのある素材です。

特徴的なのはその発色の良さ。はっきりとした色のバーキンを持ちたい場合は、スイフトを検討するとよいでしょう。同じ色のバーキンでも、スイフトとトゴではかなり違った印象を受けます。

ただし、傷が目立ちやすい点には注意が必要です。

そのほかの素材

上記のほかにも、さまざまな高級素材がエルメスでは取り扱われています。ここでは、下記5素材について紹介します。

エバーカーフはトゴやスイフト同様、雄仔牛由来の革素材です。ほかの牛革素材よりも柔らかく、革独特の光沢感が少ないため、大人っぽい印象のあるバーキンに仕上がります。マットな質感で、ノワールやゴールドなどの定番色はビジネスシーンで愛用している方も多くいらっしゃいます。

主に牛革でつくられるバーキンは、バッグ自体にそれなりの重さがあります。その問題点を解消しつつ、上品な風合いを残したバーキンの作製を可能にしたのがヤギ革です。

現在は「シェブルミゾル」「コロマンデル」の2種類のヤギ革素材がバーキンに使用されていますが、過去には染色したヤギ革を幾重にも重ねた「ヴィブラート」「ヴィブラート スニップ」などの鮮やかな素材もありました。

オーストリッチは、ダチョウ由来の革素材です。特徴的な水玉模様は羽毛を抜いた痕跡で、「クイルマーク」と呼ばれます。発色も鮮やかで、バーキン以外の小物などにも使われています。

リザードはトカゲ由来のエキゾチックレザーです。均等に並んだ光沢感のある鱗が特徴的な「リザード」と、革本来の味わいを楽しむため、ほとんど加工を施していない「リザードナチュラ」の2種類が存在します。

リザードよりも希少価値が高く、エルメスの最高級素材として知られているのがワニ革です。光沢を出すためのリセ仕上げを施した「クロコダイル ポロサス リセ」や「クロコダイル ニロティカス リセ」を使用したバーキンは大変珍しく、市場に出回ることはほとんどありません。

トゴを使ったバーキンを手に入れるポイント

もともと流通量の少ないバーキン。そのなかでも人気のトゴ素材のバーキンは、入手が困難です。

トゴ素材のバーキンを手に入れたい場合は、次のポイントをしっかりとおさえておきましょう。

エルメスの顧客になると、バーキンを優先的に販売してもらえます。そのためには、1つの直営店で購入実績を作ることをおすすめします。また、担当者をつけてもらうために、1人の販売員を指名して、長きにわたって購入を続ける必要があります。ただし、短期間に大量の購入履歴を作ると、転売目的での実績作りだと見なされ、バーキンの入荷を案内してもらえない恐れもあるので注意しましょう。

このように、エルメスの顧客になるためには、長い期間と多額の費用が必要です。しかし、二次流通市場ならば上記の過程を飛ばして、トゴ素材のバーキンを手に入れられる可能性があります。

まずは、エルメスのバーキンを取り扱う二次流通市場をチェックしましょう。その際は、当店ベティーロードのように信頼できる店舗を探すことが大切です。

そのあとは、定期的に好みのバーキンがないかを確認しましょう。中古のバーキンを購入する場合は、可能であれば実店舗に出向き、状態を確認することをおすすめします。

まとめ

耐久性が高く、1つとして同じ表情のないトゴ素材のバーキン。さまざまなシーンで活用できるため、ファーストバーキンとして選ばれることもあります。経年による質感の変化も楽しめるため、大切な方への贈り物としても最適です。

当店ベティーロードでは、トゴ素材のバーキンも多く取り扱っています。人気の高い定番色も数多く取り扱っていますので、ぜひお気に入りのバーキンを探してみてください。

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