200本を超える個性豊かなヴィンテージウォッチコレクションを誇るベティーロード。その中から“自分だけのとっておきの1本”を、一緒に探してみませんか?
今回はヴィンテージウォッチをこよなく愛するベティーロードスタッフのわたくし上村が、特におすすめしたい1970年代製のカルティエ ヴァンドーム 手巻きモデルをご紹介いたします。
当店オンラインストアの商品販売ページだけではお伝えしきれない魅力を、さまざまな角度からの写真を交えて解説しております。
ぜひ、お買い物の際の参考になさってみてください。
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この記事を書いたのは…
上村(UEMURA)
ジャックロード・ベティーロードのWEBサイト運用スタッフ。CWCウォッチコーディネーター。ベティーロードの公式Instagramでは“天の声”役で毎週金曜日のインスタライブに出演中!愛用時計10本のうち、気が付けばヴィンテージウォッチが半分を占めていた愛好家のはしくれ。
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今回ご紹介するのは、ヴィンテージ カルティエらしさの薫る逸品、ヴァンドームの手巻きモデル。1970年代に製造された1本です。
“カルティエの本店があるパリのヴァンドーム広場の名を冠したラウンドケースが特徴的なモデルです。ホワイト文字盤にブルースチール針、ブルーカボションりゅうずが映えて美しいコントラストになります。また留め具はメーカーオリジナルの18金無垢製の金尾錠になります。尾錠幅18mmの革ベルトは国内で製造し、職人がひとつひとつ丁寧な縫製に拘り作り上げたベティーロードオリジナルの新品をお付けしております。メーカーにてコンプリートサービス済(2023年7月5日付)カルティエ修理明細書が付属します。”
( 当店オンラインストア商品ページ より引用)
※こちらのヴィンテージウォッチは1点もののため、すでに販売済みの場合はオンラインストアから商品ページが削除され、ご覧いただけなくなります。あらかじめご了承ください。
カルティエのヴァンドームは、実に古い謂れのある時計です。
ベル・エポックと呼ばれる、パリが最も華やかなりし1920年代のある日のこと。友人であり文豪のヘミングウェイとともに馬車に乗っていたカルティエの3代目当主ルイ・カルティエは、ふとその馬車のシャフトのアタッチメントに目をやります。その折り、時計のケースとベルトを繋ぐ部分に応用できないかとひらめきました。
そして誕生したのがヴァンドーム。ルイ・カルティエがこのアイデアを思い付いたのがパリのヴァンドーム広場だったことから、そのままヴァンドームと名付けられたそうです。
全く関係のないところからインスピレーションを得て、ほかにはない洗練されたデザインへと昇華してしてしまう、カルティエらしいエピソードです。
さて、さっそく今回ご紹介する時計を詳しく見ていきましょう。
こちらの時計はヴァンドーム ビプランといって、ヴァンドームシリーズの中でも特別感のあるモデルです。
ビプラン(Biplan)は複葉機を意味するフランス語。複葉機とは主翼を2枚以上もつ飛行機のことで、飛行機の黎明期のスタイルです。機体胴部の上下に並行して2枚の翼が取り付けられたものが一般的でした。
そういわれてみれば、確かに複葉機を正面から見たシルエットを思わせるデザインですよね。並行に取り付けられた上下の水平ラグが飛行機の翼、ラウンドケースの中央で時を刻む針は、飛行機の先端に取り付けられたプロペラ、といったところでしょうか。
さて、こちらの時計の面白いところはバックル開閉のギミックにあります。
ラウンドケースを挟むように水平に取り付けられた2本のラグのうち、6時位置側は実はケースに接続されておりません。
このラグから剥がすように時計ケースを上に持ち上げると…?
このようにラグが離れ、なんとバックルの接合部分として機能しています。
カルティエが発明したといわれるDバックルの折りたたまれた部分が、時計ケースの裏側に収まるように設計されているのです。
裏ぶたには、折りたたんだパーツ部分が埋没するように溝が切られており、着け心地も滑らか。
時計ケースとそのラグがバックルを兼用するという発想が、とてもユニークですよね!
ベティーロードスタッフとして10年以上ヴィンテージウォッチに触れてきた中でも、ほかではほとんど見たことがないギミックです。
珍しいギミックのため、思わず外観より先に触れてしまいましたが、こちらの時計の魅力は美しく洗練されたデザインにあることは言わずもがな。
醸し出される気品が、もう只者ではありません。ただそこにあるだけであたりの空気を変えてしまうような雰囲気のある時計です。
素材は時計ケース、バックルともに18Kイエローゴールドが贅沢に使用されており、手に持つと重みが感じられます。
さざ波打つようなギョーシェ彫りのダイヤル。シルバーがかった艶のあるホワイト文字盤に繊細な陰影を生み、高級感を醸し出します。
カルティエのプレステージモデルは、ステンレス製などの普及モデルとの差別化としてこのような凝ったギョーシェダイヤルが使用されていることが多いです。
ギョーショダイヤルはこのようにプレーンですっきりした時計ケースにおいて最も映える装飾だと思います。
よく目を凝らすと、カルティエの伝統的なデザインコードであるローマンダイヤルの10の数字に、ごく小さなCartierの文字が隠されているのがわかります。これは、偽造品を防止するためのシークレットサインとして始まったもの。
ちなみにこのサインは現在も継続されており、カルティエの現行モデルにおいてもローマ数字の一部にCartierの文字が隠されています。
光を受けると、ブルースチールの針が美しくダイヤルに映えます。そしてカルティエ ウォッチといえば、このブルースチール針とりゅうずの青いカボションの組み合わせ。とてもノーブルな印象です。
燦燦とした陽光の下より、少し薄暗い昼下がりの午後のような空気の中で、ぜひこの雰囲気をお楽しみいただきたいです。
ケースサイドにはアール・デコを思わせる3本のゴドロン装飾が施されており、クラシカルな外観に重厚感を与えています。全方位、見応えのある時計です。
それでは実際に着用してましょう。
手首回り約15cmの場合の着用イメージです。
ケース径は32mmのLMサイズ。当時の男性用の時計サイズですが、現代であれば女性にとって大きすぎず、小さすぎず、というほどよいサイズ感です。
上下のラグの主張も含め、当時の女性向けに作られた時計よりも重厚な雰囲気が漂います。
着脱の雰囲気がおわかりいただけるでしょうか。
レザーストラップは、織り込む位置を調整するだけで腕にピッタリのサイズで着用いただけますので、どうぞご安心ください。
普通の時計は手首の裏側にバックルがくるため、PCに向かっている時などうしてもバックルと机がぶつかってしまい、金属部分に擦り傷がついてしまうのですが、こちらの時計であればその心配はゼロ。
かといって手の甲側もバックルによる違和感は特に感じもせず、着け心地は至って快適です。
カルティエのヴィンテージウォッチの中でも、こういったゴールド製モデルは同時代の他メーカーの時計に比べても一段上の高級感があります。
カルティエはジュエラーとして培ってきた技術をウォッチメイキングの分野でも早くから生かし、特にケース製造の手法については抜きんでていました。
現在でもカルティエの時計といえば女性に圧倒的な人気を誇っていますが、こちらの時計のように上質なものに触れると、その栄光も必然であると納得してしまいます。
ヴィンテージウォッチとの出会いは一期一会。長い年月を経て刻まれてきた表情には、1つ1つ個性が感じられ、いかにテクノロジーの進化した現代であっても再現できない独特の空気を纏っています。
こちらの時計の美しい佇まいが心の琴線に触れましたら、ぜひお早めにご検討くださいませ。
ほかにもヴィンテージウォッチの魅力について記事で解説しておりますので、ぜひあわせてお読みください。
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店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。