エルメスのクリッパーは、洗練されたシンプルなデザインのなかに、確かな存在感を宿す時計です。その静かな美しさと上質な佇まいは、多くの人たちを魅了してきました。
しかしながら、2018年に生産終了して以来、その入手はもはや二次流通市場に限られています。希少性が高まっているため、クリッパーの真価を見極めたうえで選びたいと望む声が増えているのも自然なことでしょう。
こちらの記事では、エルメスのクリッパーに込められた意匠や特徴を丁寧に解説し、その魅力をお伝えします。あわせて、二次流通市場で選ぶ際に知っておきたいポイントもご紹介。唯一無二の存在として、人生をともに歩む1本として、クリッパーをお探しの方は、ぜひ参考になさってください。
エルメスのクリッパーは、1981年に登場した腕時計です。船から着想を得た上品なデザインで、生産終了となった今もなお高い人気を誇ります。
クリッパーの細部には、エルメスならではのこだわりが宿っています。ケースバック(裏ぶた)に、エルメスの象徴である四輪馬車のロゴが刻印されている点も大きな特徴です。
クリッパーが生産終了に至った背景には、複数の理由が挙げられます。1つは、一部モデルの文字盤に使われていた白蝶貝の資源が減少し、価格高騰によって採算性が悪化した点です。他にも、ブランドとして新作コレクションへリソースを集中させるため、生産ラインの整理対象となった点も大きな要因とされています。
優美なデザインと高い機能性を誇るエルメスのクリッパーは、生産終了後もなお多くの方に愛されています。その魅力は細部に宿るメゾンのこだわりにあります。
上記の視点を基に、5つの特徴を詳しくみていきましょう。
クリッパーの象徴的なデザインは、名の由来となった19世紀の大型帆船「クリッパー号」からインスピレーションを得ています。
船の窓である「舷窓(げんそう)」をモチーフにしたラウンドケースと、周囲のビスが特徴です。この独創的な意匠は、本物の船窓を腕元にまとっているような印象を与え、航海のロマンを宿しています。
この舷窓のデザインが施されているのは、時計の風防ガラスを囲む「ベゼル」というパーツです。ベゼルは時計の印象を決定づける重要な部分であり、本来はガラスを保護する機能的な役割を担っています。ベゼルにまでストーリー性を持たせたこのデザインこそ、多くのファンに愛される理由です。
クリッパーは優美なデザインに加え、高い品質と実用性も魅力です。日常使いを支える堅牢な仕様を下記にご紹介します。
これらの点から、日常のさまざまなシーンで気兼ねなく使える実用性の高い腕時計としても、人気を集めています。
クリッパーの大きな魅力の1つに、その豊富なバリエーションがあります。
文字盤の色は定番のホワイトやブラックから、ピンクやブルーなど多彩に展開。ケースも標準的なラウンド型だけでなく、優雅なオーバル型も存在します。スポーティーな大型モデルから、ジュエリーのようにまとえる小型モデルまで、サイズを選べるのもうれしいポイントです。
また、モデルによって仕様や搭載機能も異なります。メンテナンスが容易なクオーツ式、時計の機構を味わえる自動巻き、そしてスポーティーなクロノグラフ搭載モデルなど、ライフスタイルに合わせて最適なムーブメントを選べるでしょう。
色や形、機能に至るまで多彩なラインアップが用意されており、性別やスタイルを問わず、自分にぴったりの1本を見つけられます。
気品溢れるケースバックのデザイン
クリッパーは、エルメスの揺るぎない美学を象徴する存在です。その気品は、普段は見えないディテールに宿っています。
ケースバック(裏ぶた)には、エルメスの頭文字「H」と、ブランドのルーツである馬具工房を物語る四輪馬車のロゴが刻印されています。この隠れた部分のこだわりには、エルメスが培った伝統と品質の証を感じられるでしょう。
クリッパーを所有することは、単に時間を知る道具を持つ以上の意味があります。エルメスの歴史と世界観を腕にまとう喜びをもたらし、所有者のステータスを高めてくれるのです。
クリッパーは、性別や年齢を問わず幅広い層から支持される汎用性が魅力です。華奢でフェミニンなモデルから、スポーティーで力強いデザインのものまで展開されており、ペアウォッチとしても根強い人気を誇ります。
ビジネスからカジュアルまで、どんな装いにも気品や自信、個性を添えてくれます。この自由度の高さこそ長く愛され続ける理由です。
エルメスの美意識が貫かれたクリッパーは、モデルごとに異なる表情を見せるのもまた魅力です。クラシカルな定番モデルからスポーティーなクロノグラフまで、それぞれのモデルが放つ個性と魅力を詳しく紐解いていきましょう。
ナクレモデルの大きな特徴は、文字盤にマザーオブパール(白蝶貝)を採用している点です。天然素材ならではの柔らかな光沢は、光や見る角度によって表情を変え、腕元を上品に彩ります。
インデックスにダイヤモンドをあしらったモデルならば、一層エレガントな雰囲気を演出するでしょう。ドレッシーな佇まいは、特別な日から普段のコーディネートの格上げまで幅広いシーンで活躍します。
スポーティーなデザインが魅力のダイバーモデルは、逆回転防止ベゼルと高い防水性を備えた実用的なモデルです。視認性にも優れており、マリンスポーツやアウトドアなど、アクティブなシーンに最適です。
ストップウォッチ機能を搭載するクロノグラフモデルは、存在感がありながらも着けやすいサイズ感が、男性からも人気です。
アクティブかつエレガントな雰囲気はビジネスシーンにもよくなじみます。そのため、仕事・プライベート問わず活躍してくれるでしょう。
クリッパーオーバル Ref.CO1.230.214
クリッパーのオーバルモデルは、エルメスのウォッチとしては珍しい楕円形のケースが特徴です。手首にやさしくフィットするデザインは、華奢で女性らしい腕元を演出します。
あえてインデックスなどをなくしたシンプルな文字盤は、中央のロゴを際立たせています。ブレスレット感覚で着けられるため、すでにクリッパーをお持ちの方でも、また違った印象で楽しめるでしょう。カジュアルからフォーマルまで、幅広いシーンにマッチします。
せっかく手に入れるなら、長く愛用できる自分にぴったりのクリッパーを選びたいもの。そのためには、デザインやサイズ、機能性など、いくつかのポイントをおさえておくことが大切です。ここからは、後悔しないクリッパーの選び方を詳しく解説いたします。
さまざまなモデルが展開されているクリッパー。モデルによって印象は大きく変わるため、まずはどのようなバリエーションがあるか知っておきましょう。最もベーシックなのは、時刻表示に特化したシンプルな3針モデルが挙げられます。ファッションやシーンを選ばず使える定番です。
アクティブなシーンで使いたい方には、スポーティーなダイバーモデルがぴったりです。さらに機能性を高めたクロノグラフも存在します。一方、エレガントな雰囲気を大切にしたいなら、文字盤にマザーオブパールを使用したナクレモデルも魅力的な選択肢です。
個性が豊富なクリッパーのなかから、ご自身のライフスタイルや好みのスタイルを思い浮かべながら、どのモデルにするか検討してみましょう。
時計の印象を大きく左右するのがケースサイズです。クリッパーには、約24mmの小ぶりなものから44mmの存在感あるものまで、幅広いサイズがそろっています。一般的にレディース向けは24~33mm、メンズ向けは36~44mmが目安となっています。
ご自身の腕まわりに合わせるのはもちろん、なりたいイメージで選ぶのも1つの方法です。例えば、女性があえて大きめのメンズモデルを選べば、手首の華奢さが際立ち、こなれたメンズライクなスタイルで魅力的に。
近年では、小ぶりなレディースモデルを男性がさりげなく着けるスタイルも人気です。性別にとらわれず、ご自身のファッションや理想のスタイルに合わせて、お気に入りの1本を見つけてください。
クリッパーのストラップは、主にステンレススチール製のブレスレットとレザーストラップが主流です。H型のコマが連なるアイコニックなブレスレットは、ドレッシーかつスポーティーな印象を与え、季節や服装を問わず活躍します。金属ならではの輝きも魅力です。
一方、レザーストラップは腕元に上品で落ち着いた雰囲気をもたらします。エルメスならではの豊富なカラーバリエーションも楽しく、付け替えるだけで時計の印象を大きく変えられるでしょう。
また、ダイバーモデルにはラバーストラップも存在します。水や汗に強く耐久性も高いため、アクティブなシーンや日常使いに最適です。ライフスタイルに合わせて選ぶことで、後悔のない1本を見つけられるでしょう。
クリッパーは生産時期によってブレスレットやバックルの仕様が異なります。
生産時期 | ブレスレット 形状 |
バックル方式 |
---|---|---|
初期(~1990年代) | コマ非一体型 | 片開き(置くと文字盤が上向きになる) |
中期(2000年前後) | コマ一体型 | 片開き |
後期(最終型) | コマ一体型 | 両面開き(観音開き) |
また各モデルの特徴は以下のようになっております。
初期(~1990年代) | クラシカルだが着脱に手間がかかる |
---|---|
中期(2000年前後) | 強度が向上し、実用性アップ |
後期(最終型) | 片手で着脱しやすい、傷みにくい |
生産時期は使い勝手に影響するため、選ぶ際の重要なポイントです。ご自身の使い方を考えて、どの時期のモデルが合うか検討してください。
クリッパーの価格は、モデルや状態によって大きく異なります。二次流通市場では、24mmのステンレススチールモデルが約15万円から、人気のクロノグラフモデルが6~19万円あたりの価格帯です。なお、時計のコンディションや付属品の有無によっても価格は変動します。
直近の相場は全体的に落ち着きを見せていますが、すでに廃盤となっているため希少性は高まる傾向にあります。特にダイヤモンドをあしらったモデルは需要が高く、近年では10%前後値上がりしているケースも珍しくありません。
これはエルメス自体のブランドの価値が高まったことも影響しているでしょう。資産価値も視野に入れ、将来性を見据えて選ぶのも1つの方法です
※価格は2025年7月時点のものです。価格は変動する場合がございます。
刻印の明瞭さも重要なポイント
二次流通市場でクリッパーを探す際は、偽物に注意が必要です。本物を見極めるポイントは以下の通りです。
しかし、近年は精巧な偽物も多く、一般の方が本物を見極めるのは難しいかもしれません。安心して本物のクリッパーを手にするには、信頼できる店舗選びが大切です。
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1981年に誕生したエルメスのクリッパーは、大型帆船の舷窓をモチーフにしたタイムレスなデザインが魅力の腕時計です。シンプルな外観と高い視認性で、ビジネスからカジュアルまでシーンを選ばず活躍します。
クロノグラフやダイバーモデル、白蝶貝が輝くナクレなど豊富なバリエーションも人気の理由。生産終了後も人気は衰えず、二次流通市場ではさまざまなモデルのなかから自分に合ったクリッパーを選べるでしょう。
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店内の在庫は常に変動しております。来店にて見たいモデルが決まっている場合、事前に店舗へ在庫を確認の上お越しいただくことをおすすめしております。